SHIMANO 21ツインパワーSW 力強い巻きを取り戻せ
- 山 リールベース
- 10月21日
- 読了時間: 3分
サーフフィッシングで酷使され、巻き取り時の“ゴリ感”が顕著に出ていた個体。
ツインパワーSWは高剛性ボディと高耐久ギアが特徴ですが、潮噛みや負荷による摩耗でフィーリングが悪化することがあります。
■症状
・巻きの重さ、ゴリ感(特に一定リズムでのザラつき)
・ハンドル回転時の抵抗増加
・オシレート動作時の異音
■原因解析
サーフでの使用により、塩分と砂粒の混入+ギア摩耗が進行。
特にピニオンギアとドライブギアの噛み合わせ部が摩耗しており、
負荷下での回転抵抗とノイズを発生させていました。
また、内部ベアリングのグリス劣化・錆による回転ムラも確認。

■交換パーツ
・YAMAベアリング ×3
・ドライブギア一式
・ピニオンギア
・中間ギア大(XG)
■整備内容
・全分解洗浄(ボディ・スプール・ローター)
・塩分除去+超音波洗浄
・ベアリング交換(YAMA高精度ベアリング仕様)
・ギア3点交換後、ギアバックラッシュ調整
・グリスアップ(部位別にウレア系・フッ素系を使い分け)
・ドラグメンテナンス、スプール軸の芯出し調整
整備後は巻き抵抗が軽減し、SWらしい**“力強さと滑らかさの両立”**を再現。
新品時に近いフィーリングに仕上がりました
■コラム:ツインパワーSWの歴史と通常モデルとの違い
ツインパワーシリーズは1980年代から続く、シマノを代表する“剛性系スピニングリール”。
その中でも「SW(ソルトウォーター)」モデルは、サーフ・ショアジギング・オフショアなど、
過酷な環境での使用を前提に設計されたハイパワー仕様です。
ノーマルのツインパワーと比べると、SWは次のような点で大きく異なります。
まず、ボディ構造が違います。
通常モデルがアルミとCI4+を組み合わせた軽量設計なのに対し、
SWは**フルメタル(HAGANEボディ)**を採用し、ねじれや歪みに強い構造になっています。
次に、ギア構造。
ノーマルツインパワーが汎用的なギア設計なのに対し、
SWは大径ドライブギア+強化ピニオン構造を採用し、
大型魚とのファイトでもパワーロスを抑える設計です。
さらに防水性能も強化されており、
ノーマルモデルが「Xプロテクト」構造で軽防水を重視しているのに対して、
SWは「Xシールド」+「ラビリンス構造」を採用し、
波しぶきや浸水にも耐える高耐久仕様になっています。
最後に用途の違い。
ノーマルツインパワーはバスやライトソルトなど汎用向け、
SWは青物・ヒラメ・GTなど、トルクと耐久が求められる釣り向けです。
つまり、ツインパワーSWは「ステラSW譲りの剛性・防水・駆動力」を持つ、
まさに**“過酷な環境専用のハイエンド実戦機”**なのです。
■まとめ

今回のようにサーフ使用では、塩・砂・紫外線といった要因でギアやベアリングの消耗が早まります。
定期的なオーバーホールにより、本来の巻き心地と耐久性を維持できます。
ReelBaseYAMAでは、YAMAベアリングによる高精度チューニングと長寿命設計を実現しています。








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