ゴリ感は1つだけではない。
- ReelBase YAMA
- 2 日前
- 読了時間: 3分
【22ステラ オーバーホールレポート】
ゴリ感の原因は、ギアだけじゃない。
22ステラのオーバーホールをご依頼いただきました。
症状は巻き出しから感じるゴリ感。
分解して原因を探っていくと、複数の要因が重なっていました。
まず目立ったのがベアリングの塩ガミによる固着。
SWシリーズを含め昨今のリールは
防水性能が非常に高いとはいえ、完全防水ではありません。
ドラグ周辺やラインローラー、ハンドル軸など、使用環境によっては少しずつ海水や湿気が侵入します。
海水が侵入した状態で保管すると、水分だけが蒸発し塩分だけが残留。
これがベアリング内部で結晶化し、ボールや保持器の動きを妨げます。
初期ではシャリ感。
さらに進行するとゴリ感や回転不良、最終的には完全固着へと発展します。
今回は複数箇所で塩ガミによる固着を確認しました。
もう一つの原因はローラークラッチの固着です
。
ローラークラッチは逆転防止機構。
ハンドルを前方向には滑らかに回転させ、逆方向だけ瞬時にロックする仕組みです。
内部には複数のローラーとスプリングが組み込まれており、ローラーが傾くことでシャフトを挟み込み逆転を止めています。
この部分に海水や古いグリス、塩分が入り込むとローラーの動きが鈍くなり、本来スムーズに転がるはずのローラーが引っ掛かる状態になります。
その結果、巻き始めや一定方向でゴリッとした違和感が発生します。
ローラークラッチはグリスを多く入れれば良い部品ではありません。
油脂の種類や量を間違えるだけでも動作不良を起こすほど繊細な機構です。
だからこそ洗浄と適切な処置が非常に重要になります。
ギアの摩耗も進行
今回の個体ではドライブギア・ピニオンギアにも摩耗が見られました。
マイクロモジュールギアⅡは非常に滑らかな巻き心地を実現していますが、その反面、精密な噛み合わせだからこそ摩耗の影響も巻き感へ現れやすい特徴があります。
摩耗した状態で使い続けるとギア同士の接触面積が変化し、荷重が一点へ集中。
その結果、さらに摩耗が加速する悪循環になります。
22ステラから採用されたインフィニティクロスは歯面接触を大きくすることで耐久性を向上させていますが、それでも塩分や潤滑不足には勝てません。
どんな高性能ギアも、潤滑環境が悪くなれば寿命は確実に縮まります。
ローラークラッチはいつから使われている?
昔のスピニングリールには逆転レバーが付いており、魚とのやり取りを逆転で行うスタイルも一般的でした。
その後、ワンウェイクラッチ(ローラークラッチ)の性能が飛躍的に向上し、高負荷でも確実に逆転を止められるようになったことで、現在のリールでは逆転レバーを廃止するモデルが主流となりました。
特にSWシリーズでは、大型魚とのファイト時に一瞬でも逆転が起きれば致命的なトラブルにつながるため、このユニットには非常に高い精度が求められています。
普段は目立たない部品ですが、リール全体の信頼性を支える重要な存在です。
「Xプロテクトだから水は入らない。」
そう思われがちですが、実際にはどんな防水機構にも限界があります。
波しぶき、浸水、ドラグ周辺からの水分、温度差による結露…。
長年使用していれば少しずつ内部環境は変化していきます。
だからこそ大切なのは壊れてから直すことではなく、壊れる前にリフレッシュすること。
22ステラは間違いなく現行最高峰のリールですが、その性能を維持できるかどうかは、日頃のメンテナンス次第です。
最高峰の性能を、最高峰の状態で。
それがReelBase YAMAの考えるオーバーホールです。




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