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【なぜリールメーカーはグリスをたっぷり入れるのか?「グリスが多い=回転が悪い」は本当なのか】


新品のリールを分解したことがある方なら、一度はこう思ったことがあるかもしれません。

「こんなにグリスが入っているの?」

SNSでも、

「グリスを減らしたら巻きが軽くなった!」

という投稿を見かけることがあります。

確かに、グリスを減らせばハンドルを空回ししたときの軽さは増します。

しかし、それだけで「性能が上がった」と判断するのは非常に危険です。

今回は、メーカーがあえてグリスを多めに塗布する理由について、プロの視点から解説します。


結論

メーカーがグリスを多めに使用するのは、「巻きを重くするため」ではありません。

目的は、

  • 潤滑性能の維持

  • 摩耗防止

  • 防錆

  • 防水

  • 長期耐久性

この5つを高いレベルで両立するためです。

つまり、グリスは「抵抗」ではなく、リールを守るための保険でもあるのです。


理由

グリスには、オイルにはない重要な役割があります。

それは、必要な場所に長く留まることです。

リール内部では、

  • ギア同士が噛み合う

  • ベアリングが高速回転する

  • シャフトが往復運動する

など、さまざまな動きが同時に起こっています。

もし潤滑剤がすぐ流れてしまえば、

金属同士が直接接触し、

摩耗や焼き付きの原因になります。

グリスは粘性があることで、

長期間その場に留まり、

常に油膜を維持してくれます。

メーカーは何万回もの耐久試験を繰り返し、

「この量なら性能と耐久性を両立できる」

という最適なバランスを見つけています。


具体例

ReelBaseYAMAへ持ち込まれたリールの中には、

「ネットを見てグリスを減らしてみた。」

というものもあります。

確かに空回しでは非常に軽く感じます。

しかし分解すると、

ギアの歯面が乾き始め、

摩耗粉が通常より多く発生しているケースがあります。

逆に、

適切な量のグリスが残っているリールは、

数年使用していてもギア表面がきれいなことが少なくありません。

ここで重要なのは、

「多ければいい」「少なければいい」

ではなく、

その部位に対して適切な量であることです。

例えば、

ドライブギアには耐荷重性を重視したグリス。

ラインローラーには回転を妨げない適量。

ドラグには専用グリス。

同じリールでも、

場所によって役割も量もまったく違います。


初心者が誤解しやすいポイント

「巻きが軽い=高性能」

ハンドルを空回しした時の軽さだけでは、

本当の性能は分かりません。

実際の釣りでは、

ルアーの抵抗や魚の引きが加わります。

その時に滑らかさを維持できるかどうかは、

適切な潤滑があってこそです。

「空回しが軽い」と「実釣で快適」は、必ずしも同じではありません。


「どのグリスも同じ」

これも大きな誤解です。

グリスには、

  • 粘度

  • 耐水性

  • 耐圧性

  • 耐熱性

  • 密着性

など、それぞれ異なる特性があります。

そのため、

ギア用とベアリング用では求められる性能が違います。

一種類のグリスですべて対応することは難しく、

用途に応じた使い分けが必要になります。


プロがグリスを選ぶ基準

ReelBaseYAMAでは、

「このグリスが一番良い」

という考え方はしていません。

重視しているのは、

  • 対象魚

  • 使用環境(淡水・海水)

  • 使用頻度

  • お客様の好みの巻き感

  • リールの構造

です。

例えば、

ライトゲームで繊細な巻き感を求める方と、

オフショアで大型魚を狙う方では、

最適なグリスは変わります。

リールは一台一台、求められる性能が違うからです。


今日からできるワンポイント

市販のスプレーオイルやグリスを、

「とりあえず多めに吹いておこう。」

これはおすすめできません。

必要以上の潤滑剤は、

ホコリや砂を呼び込み、

逆にトラブルの原因になることがあります。

セルフメンテナンスでは、

「足りないより少しだけ」

ではなく、

適量を知ることが何より重要です。


まとめ

グリスは、リールを重くするためのものではありません。

大切な内部部品を守り、滑らかな巻き心地と長い寿命を実現するために欠かせない存在です。

だからこそ、量を減らすことだけを目的にするのではなく、「そのリールにとって最適な量と種類」を選ぶことが、本当のメンテナンスにつながります。

ReelBaseYAMAでは、メーカーの設計思想を尊重しながら、お客様の釣り方や使用環境に合わせてグリスの種類・塗布量・塗布箇所を細かく調整しています。

「軽い巻き心地」だけではなく、「5年後、10年後も気持ちよく使えるリール」を目指して。

その一台に最適なメンテナンスを、ReelBaseYAMAが責任を持ってご提供いたします。

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